注入(まえかわ)

金曜日当直先で風邪をひろってしまったようで,どうも体調が今一つです.

 

ellegardenの『高架線』ですが,このPVもよく作りこんであるアニメーションです.

つい先日,情熱大陸である芸人さんの泣けるパラパラ漫画を特集してましたが,この動画も色彩豊かな風船が放たれるところが非常に感動します.

 

歌詞も非常に人気があるようです.歌詞を載せているバージョンも探してみますと,やはりありました.

 

 

 

さて,つい先日病棟仕事を終え医局にくつろぎに来ますと,大泉先生がさもうれしそうに・・・.

 

 

大泉先生 『なあなあ,まえかわ,偽膜性腸炎の最新治療しってるか?

 

      まえかわなら詳しいと思うんだけど』

 

私    『え,バンコマイシン飲ませるとかじゃないんですか.メトロニダゾールとか』

 

大泉先生 『ちがうんだよーッ!!

 

      なんと・・・

 

    

    

      他の人の便汁を肛門から注入するんだってよーーーーッ!!! ウヒャヒャ!!!』

 

 

 

金先生  『・・・はあ・・・   なんとなく原理はわかるけど,よく思いつくな・・・』

 

 

ネタもよかったのでしょうか.非常に大泉先生はうれしそうです

 

医療従事者以外の方のために説明しますと,偽膜性腸炎というのは,クロストリジウム・ディフィシルという菌によって激しい下痢を起こす腸炎です.腸内細菌のバランスが,抗生剤投与などによって攪乱され,もともとほんのわずかしか腸内にいないこの菌が異常に増えて発症します.

 

偽膜性腸炎は医療関連感染(いわゆる院内感染)の代表的なものであり,上記のように抗生剤を使われる患者さん,高齢者でよく発症します.私が医者になりたてのころ仙台でこの劇症型偽膜性腸炎が数例見られ,1日何リットルも下痢をし命を落とす患者さんが相次いだようです.

医師国家試験にも頻出するくらいで,知っておかなくてはならない腸炎です.

 

(ちなみに,私の学位研究でも,この偽膜性腸炎を発症された方は5年間で数例いました)

 

 

この偽膜性腸炎を繰り返す患者さんの腸内細菌叢を,他の人の正常な細菌叢を含む便汁を注入することで正常に戻すというのが,この論文の主旨のようです.もちろん,便汁そのものをダイレクトにいれるわけではなく細菌叢を何らかの方法で抽出していると思われます.論文そのものを私も手に入れて抄読してみたい気持ちに駆られました.

 

 

『ラブ』とか『闘魂』とか,注入するものはいろいろありますが,この『便汁エキス注入療法』はさすがに驚きました.

 

 

大泉先生の情報ソースはニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンという権威ある医学雑誌のポッドキャスト版のようで,さっそく私もダウンロードして聞いてみました.

この医学雑誌のポッドキャスト版は,ウィークリーサマリーが30分くらいで聴くことができます.

大泉先生は海外出張が多いため,普段からこのポッドキャストで英語耳を鍛えていらっしゃるようです.

 

 

この便汁注入療法はオランダの先生が発表したようで,よく思いつくなあ,と感動しました.

難治性の偽膜性腸炎に,かなりの効果が期待できるようです.

 

 

この論文に敬意を表するッ!!!! (←花京院典明風)

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コメント: 2
  • #1

    チョコラータ (火曜日, 12 2月 2013 12:20)

    寒い日が続きますね(;;)お風邪、ひどくなりませんようお大事にして下さいね。。(私もかれこれひと月ほど風邪がぬけません)

    PV、とっても良いですね~そうそう、風船が放たれる所の色鮮やかさと同時に、ボーカルの、I'm~のところの唸るような声が何とも言えず、グッときました!(感動すると何故か鳥肌がたちます)
    良いですねぇ(^^)


    ・・初めて耳にする偽膜性腸炎。。症状を聞いただけで怖くて体が冷たくなってきそうですが、朗報ですね。凄いなぁ・・ただただ感服するばかりです。(vv)






  • #2

    雪やこんこん (水曜日, 20 3月 2013 07:17)

    オランダというと、MRSA対策がしっかりされている国、という印象があります〜。
    ポッドキャスト私も聞いてみました!
    サマリーだけなら、ちょっと理解できそうですね。今回の内容はかなり衝撃的でした>_<