商売道具(まえかわ)

イメージは、われわれの商売道具の拡大鏡であります。

私たち心臓血管外科はじめ、小児外科、形成外科の先生など、細かい操作が多い科の手術で用いるものです。

 

倍率は、2.5-4.5倍くらいが市場に流通しております。医局のほかの先生方は大体2.5倍をお使いになっているのですが、私はこどもさんの心臓の手術に入ることが多いですので、3.3倍とやや高めのものを使っております。

 

ちなみに、研修医時代に天皇陛下の心臓手術を執刀なさった高名な先生の講義を聞く機会がありました。

この先生のお話ですと、『年を取って老眼になってきたら倍率を4倍にしたほうがよい』とのことでした。

 

重さは努めて軽いものを選んだのです。

もともと低い鼻がこれ以上低くなってはかないません。

 

以前、アングロサクソンの先生が好んで使われるというドイツの有名なレンズメーカーのものを使ったのですが、重くて重くて、耳と鼻が痛くて使わなくなってしまいました・・・。アングロサクソンの方たちは、頑丈な鼻をお持ちのようです。

 

金先生も私も首だの肩だの弱っているので、この重さが長時間手術になりますと徐々にダメージとして蓄積されてきます。

 

 

ちなみに値段は20-30万円くらいというところです。

私のような近視乱視矯正が入りますと、追加料金が発生します・・・。

学会に行きますと、企業展示でいろんなメーカーさんがコマーシャルしており、この話を聞くのも楽しいのです。最近はファッショナブルなフレームが多いので、選択の幅も大きく楽しいのです。

 

 

さて、こういう言い方をすると偉そうで恥ずかしいのですが、最近研修医の先生や3年目の先生の小手術の指導をする機会が増えました。(内田先生も金先生も非常に忙しそうにしているのです)

 

拡大鏡をまだ持っていない彼らの動きを、拡大鏡をしている私が見ますと、まだまだ成長の余地がたくさんあることに気づきます。

 

私   『俺は3.3倍の眼鏡をしてるから、あい女史の手振れが3.3倍に見えるのだ。

     精密さもこっちが3.3倍なのだ(不必要にエラそうです)。スタンド使いみてーだろ』

 

あい女史『・・・』 

  

水本君 『先生、何言ってんスカ。へへへ。』

 

 

ということで、なぜこの拡大鏡の話をしたかといいますと、ケースが壊れてしまって明日修理に出すので、その前にネタにしておきたかったのです。

 

 

 

さて、学術活動ですが・・・

 

学位論文の主査の先生が決まりました。これは、他の科の教授の先生に指導していただくという形になるのですが、客観的な視点でブラッシュアップしていただくことになります。

客観的な視点で自分の書いた文章を評価していただくいい機会なのであります。

 

 

今日手術室で手洗いをしておりますと、この先生からお声をかけていただきまして、

 

『おーーーーっ。まえかわ先生。僕、先生の主査になったんだけど、そのうちいろいろ相談しようか』

 

『先生いつだとよろしいですか』

 

『んーーーーーーッ。いつも忙しいなあ。まあ、そのうちな。』

 

『・・・・』

 

ということで、忙しい主査の先生と、それなりに忙しい私で何とか時間を合わせ、学位論文をカタチにしなくてはなりません・・・。