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明日より私たちの職場でも『電子カルテ』が始まることになりました。
これまでも外来では電子カルテで記載していたのですが、未だ正式なカルテと認められないとのことで、わざわざプリントアウトして紙カルテに切り貼りしていました。その手間が省けるということや、自分を含めて『医者の悪筆』に悩まされなくていいことは、まあメリットとして挙げられるでしょうか。
あと、カルテを探さなくていいことなど。
先週、医学生さんの電子カルテのカウンターサイン(承認の追記)についての説明会があり、医局長と出席。
学生さんが電子カルテを記載すると、内容に不備がないか指導医のところにメールが飛んで、指導医の承認が求められる、というもののようです。
『紙カルテ』でも、学生さんや研修医の先生の記載には必ず指導医が承認のサインをしておかないと、医療監査で問題になるというのです。
ある程度の混乱は予見されますが、まあやってみないとわからないというのが正直なところでしょう。
貞弘教授 『レントゲン写真は必ず大きくスケッチしなさい』
という教えがあります。電子カルテ上だと、こういうスケッチなどはできないことになります。
(いや、たぶんできるかもしれませんが、ペイント機能とかを使うんでしょう)
まあ、いずれにしろ学生さんには、患者さんとしっかりコミュニケーション取れて、
パッと見たときの表情はどうか。
夜眠れたか。食欲はどうなのか。
呼吸音はどうか、心音はどうか。
末梢冷感はないか。
むくんでいないか。
痛みはないか。
バイタルはどうか。
検査の予定はどうか。
創処置は何を行ったか。
紙カルテでも電子カルテでもこういうことを記載できるようになってほしいものです。
動脈硬化のはなし。
動脈硬化というのは血管が全身にくまなく分布しているということから、当然ながら全身におこるものです。
学生時代、病理学の教授に『18歳過ぎたら動脈硬化は始まっている。したがって、キミタチもそうです。』
と言われました。
心臓だの血管だのを扱っている私たちにとって、手足の血管が動脈硬化を起こし歩くと足が冷たくなったり、壊死したりする『閉塞性動脈硬化症』は、きわめてポピュラーな病気です。
ある講演会で聞き及んだのですが、この閉塞性動脈硬化症という病気は、大腸がんや乳がんより生命予後が悪いそうです。
ようするに、足の血管が狭くなって閉塞性動脈硬化症と診断された人は、がん検診などでこれらのがんと診断された人より、5年後に生存している率が低い、ということです。
どういうことかといいますと、足の血管が狭くなっている人はすでに心臓の血管(冠動脈)や脳の血管も狭くなり始めたり、大動脈が瘤になったりして、心筋梗塞、脳梗塞、大動脈瘤破裂、あるいは下肢の壊疽などで命を落とす可能性が高い、ということになります。
私自身は日常診療でがんなどの『悪性疾患』を扱うことはほとんどないのですが、このがんと比較したときの動脈硬化の予後の悪さを再認識しました。
動脈硬化はがんではないので言ってみれば『良性疾患』ですが、病理学の教授のお話ですと、生活習慣にある程度左右されるものの、基本的には老化に伴って進行するようです。素人的には、がんの方が予後が悪そうなイメージがあったのですが、がん医療もかなり進歩したということもあるのでしょうか。
電子カルテの使用感は、追ってまたご報告します。
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