年の締めくくりに(まえかわ)

訪室の皆様の職場でも、あるいは学校でも締めくくりの時期かと思います。

たとえば、会社の業績とか学校の成績とか、ナントカ。

 

私たち第二外科でも、今日締めくくりのイベントである『MMC』というカンファレンスを行いました。

MMCというのは、Mortality-Morbidity-Conferenceの略です。

Mortality(致死)、Morbidity(合併症)を招いてしまった症例の事後検討会です。

こういう生き死にに関わる仕事である以上、年を締めくくる反省会はこういうものなのです。

 

(これは、病院機能評価などで定期的に行うことが義務付けられているモノです。)

 

その時、その場で全身全霊を酷使して患者さんをよくしようと思っているのですが、結果が伴わず亡くなってしまったり、重篤な合併症を残してしまったりすることは、どうしてもある程度の確率で起こってしまうのです。

 

 

後輩が症例をプレゼンテーションするたびに、

 

『あー、強心剤もう少し多くすればよかった・・・』とか、

 

『もうちょっとあの検査すればよかった』とか、

 

『あの処置しなけりゃよかった・・・』とか、

 

『あの先生に相談すればよかった・・・』とか、

 

『抗生剤アレにすればよかった・・・』とか、些末なことが心によぎるのです。

 

いわゆる勝負ごとに『たら・れば』は無いのですが、そのときそのときで治療にあたっているスタッフは、その実力の範囲内で(おそらくそれは疲労度にも左右される)、最善を尽くしているのです。

 

でも、あとから思い返せば当然不足していることもあるわけで、意地悪く言えば相手が何日不眠不休で患者に付き添っていようが、いかようにでも批判できるのです。

こういう事柄を理解せずに、たとえば門外漢の法曹関係者があまり余った時間を持って好き勝手に『後出しジャンケン』を繰り返すために、医療現場が疲弊している事実をこの国はどう考えているんでしょうか。(福島県大野病院事件みたいに)

 

いや、私は幸いこういう法曹的なイヤな目にあったことはありませんが。

 

話はそれますが、指導する立場であれば、絶対に必死に働いている部下を相手に『後出しジャンケン』をして断罪してはならんと思うのです。

指導的な『フィードバック』をすることはあっても。

 

 

 

そう思って煮詰まってきたので、イメージのこの茶碗で焼酎を一杯。

水木しげる先生の『なまけ者になりなさい』茶碗。

 

長野時代に一緒に働いていた、のんびり心臓外科医のO君(信大所属)が鳥取土産に買ってきてくれました。

 

私は水木しげる先生のエッセイが好きでよく読みます。

『世界はゲゲゲ』とか、『ラバウル戦記』とか・・・。

 

この方は、積極的にサボる能力を『ノンビリ力』と呼称しているんです。これは大事なコンセプトです。

というのも、睡眠する能力も積極的な能力なんですよ、健康を維持するための。

人間すべて、力尽きて(いわば消極的に)眠るわけではなく、体の健康を求める能力が『積極的に』体を睡眠させているんです。

 

働きすぎのみなさん、積極的に『なまけ』ましょう!!!