『言葉の力』とサーチ・アンド・デストロイ(まえかわ)

新兵器
新兵器

数年前に,ある全国学会(たしか集中治療医学会か救急医学会だったと思う)に,銃撃された警察庁長官の国松孝次氏が特別講演されていました.

 

この方が言うには,暴力団の活動を抑止する上で一番有効であったのが,『暴力団対策法』の制定であったというのです.

たくさんお金を費やして『対暴力団組織』みたいなのを創設したわけでもないそうで,法律で暴力団を『反社会的な組織である』と定義したことが有効であったという話なのでした.

これは,最近のある大物芸能人の件でも明らかです. 

(実際,私がこどものころはテキヤと呼ばれる人たちが必ずお祭りにいましたが,この法律後いなくなった)

 

これだけでなく,新しい言葉が出来ることでそれが悪いことである,と社会が認識することは多々あります.

変な話ですが,『ストーカー』とか,『DV』とか,『セクハラ』なんてのは,その最たるものではないでしょうか.

こういう言葉ができて,その存在が『社会悪』である,と定義されたことで未然に防がれた犯罪も多いと思うのです.それまで民事不介入で済まされていたことが,『社会悪』と認識されるようになりました.

『言葉の力』は偉大です.

 

 

で,この『サーチ・アンド・デストロイ』です.

 

外科手術をうける患者さんにとって黄色ブドウ球菌は,あまり常在させていい菌ではないことは繰り返し述べてきたとおりです.

実際,つい数年前まで病棟患者はMRSA保菌者だらけであったし,人によっては

『MRSAなんて常在菌だから気にするな』

という声もありました.いまではとんでもない話ですが.

 

MRSAのみならず黄色ブドウ球菌はすべからく,積極的に探し出して殲滅すべき仇敵であることをこの

『サーチ・アンド・デストロイ』という『言葉』を通じて普及させたいなあと思うのです.

 

実際ですね,院内感染の8割は黄色ブドウ球菌が原因でおこっているそうです.

 

イメージは,この『黄色ブドウ球菌との苛烈な戦い(中村君いわく)』における『バイブル』になるであろう新兵器です.

いわゆるマニア本その2です.(マニア本1はもう大体読んだ)

マニア本1より臨床的な内容がたくさん載っており,大いに期待が持てます.

 

こんな本を買う心臓外科医は,国内で私くらいじゃないでしょうか.

本買うくらいしかお金使うことがないので.

 

家内『そうだよねー,よしゆきさんは無駄遣いしないもんねー. 

   本とお酒くらいしか買わないもんねー.

   お酒くらいしか(ニヤニヤ)』(←なぜか酒は2回繰り返す)

 

私 『・・・(ヒーーッ! コワいーッ!)』

 

前川家はこんな感じです.

 

蔵書が増えてきたので,医局を再整備する時に

『外科感染症研究室』(通称バイキンルーム)をつくってほしい,

 

と冗談半分で教授にお願いしようかなーと思うのです.