ピアニストがピアノを弾くように(まえかわ)

今日もICUからお送りいたします.

毎週日曜日の夜は,『行列ができる』番組は嫌いなので,家内とN響アワー聞きながら(クラシックは全然わからないのですが),マンガ読んで過ごすことが多いのです.

でも,ソロのピアニストとかを見ると,あんなに上手に弾けたらさぞ気分がいいだろうなあなどと思うのです.

 

私の好きな小説家の辻邦夫は,エッセイの『言葉の箱』のなかで,こうコメントしていました.

 

『ピアニストがピアノを弾くように,小説を書けるようになりたい』と.

 

で,気取ってこのタイトルにしたわけです.(←いつかパクッてやろうと心に誓っていた)

 

 

私も外科医のはしくれなので,口はばったいですがたまには『手術』について書きます.

今でこそたまにドラムたたくくらいですが,長いこと音楽をやっていたので,(ピアノは弾けませんが)この辻邦夫の言っていることがなんとなくわかります.

 

私ごとき若輩が言うのもなんですが,手術をしてうまくいっている時と,いい演奏ができている時の意識の状態っていうのは似てるんではないかと思うのです.

 

で,手術をする執刀医と,助手の先生×2-3人,麻酔科の先生×2-3人,介助の看護師さん×2人,人工心肺を操作してくれる臨床工学技師さん×2 ・・・との関係ですね.

手術ってのは人数も規模も,いわゆるアンサンブルとか,バンドに近い編成(規模)かなー,と思うのです.

いろんな楽器ができる人(=いろんな職種の人)が集まって.

 

ちなみに,今日一緒に入って下さった直接介助(業界用語でいう『器械出し』)の看護師さんは,語り口はノンビリなのですが,腕は良く手術の内容をよく理解してくれてました.感謝.

(上手な器械出しの方は,基本的に気立てのいい善良な方が多い気がする.私見ですが)

 

 

外科医は,手術室で威張り散らして傲慢な人たち,というイメージを持っている一般の方もいると思うのです.たぶんにドラマとかの影響が強いと思うのですが・・・

 

これについて私がもっている考え.

ピアノを弾く時に,共演者に対して怒鳴り散らすピアニストがいないように,コメディカルに横柄な,礼儀を欠く態度をとるべきではないと私は思うんですね.

(医者って言っても,教育を受けた年数が6年と他の職種より長いだけで,それだけで威張ってはいかんと思うわけです)

 

でもなかなかそうはいかない・・・.

私が手術室で怒るのは,次の2つ.

 

①『医者に言われたことだけやればいいや,手術の成否なんてしーらない!』 という明らかにモチベーションの低い『職場内ニート』みたいな看護師

(こういう方たちは,自分の仕事に誇りを持っているんでしょうか.

 自分の食い扶持が稼げればそれでいいのかなー.

 先ほどのたとえで言うなら,今からバンドのセッションしよう,という時にギタリストがコード覚えてこなかったり,ボーカリストが歌詞覚えてこなかったりしたら,『何やってんだよー!』となりますよね.)

 

ドアを開けっ放しにする人(手術室のクリーン度が下がって感染が増えるから)