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行ってきました、外科感染症学会。
かなり新たな知見が得られました。知的に相当刺激を受けることができたので、何回かに分けてバイキンシリーズとしてお送りしたいと思います。
今回の私のプレゼンテーションは貧相な内容なのですが、それでも学会に行くと
(チクショー、俺もこんくらいグラフと表がたっぷりあるプレゼンしたいぜ)と燃えてくるわけです。
本題。
やはりですね、黄色ブドウ球菌は悪者ですよ。
私の中で『生涯の敵』認定(?)します。
黄色ブドウ球菌について考察を深めるために、三重までの往復の特急列車、飛行機内で前回写真を載せた教科書を読んでたわけです。(内田先生はこの本をチラ見して、『世界で30冊くらいしか売れなさそうな(マニアな)本だな』と言っていた…)
黄色ブドウ球菌の外毒素(菌体の外に分泌される毒素)についての考察は、女性の使用されるタンポンで知見が相当得られているようです。
このタンポンの使用というのは相当恐ろしい事態につながることがあるようで、まず経血をせき止める、つまり・・・
①膣内のPHが血液と同じ7と同じくらいになる。(通常膣内は酸性になってて雑菌が増えにくくなっている)
②タンポン(綿のかたまり)を入れることによって通気性がよくなって酸素濃度が上がる。
③膣内はもともと二酸化炭素濃度がある程度高い。
これらの条件がそろうことによって黄色ブドウ球菌は外毒素をガンガン分泌して、トキシックショック症候群を起こすようなのです。
で、三重から帰ったら家内に聞いてみたのです。すると、日本ではあまりないようなのですが、欧米ではタンポンの長期使用でやはりトキシックショック症候群を起こして死亡する、という報告があるようなのです。
黄色ブドウ球菌は、血液を好む菌なのではないかとは、以前から私もうすうす感じていたことなのですが(実際ヒツジの血液含有培地で培養される)。
手に包丁傷がある板前さんが料理したもので食中毒、なんてのは絆創膏のなかで血液を栄養にして増えた黄色ブドウ球菌が産生したエンテロトキシン(食中毒の原因の毒素)がおこすものでしょう。
同じ理由で、外科医が手術の前にブラシでごしごし手洗いするのはよくないと最近言われるようになっています。
止血が不十分な手術で感染が多いのは、やはりここに黄色ブドウ球菌が定着するからだと思われます。
ちなみにですよ。黄色ブドウ球菌の有する性質で、外科医にとって最も大事なことは、これなんですよ。すなわち・・・
『黄色ブドウ球菌は皮膚が好き』
これについても私はマニア本で確信を得ました!!
というのは、黄色ブドウ球菌は強い塩分に耐えることができるんです。つまり汗ですよ。
だからこそ手術部位感染を起こすんですよ!!!
あーっ・・・もっとバイキンについて熱く語りてー!!!
(でもマニアックになりすぎるとついてこれない方が続出してしまう・・・)
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