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研修医になって,一番初めに苦労するのがいわゆる『針仕事』です.
まず
①採血・末梢静脈確保(いわゆる手足の点滴)
さらにレベルアップすると・・・
②中心静脈確保(より心臓に近い太い静脈の確保)⇒強心剤,高カロリー輸液、抗がん剤など強力な薬の入るルートの確保.
小児を相手にする人は・・・(私もそうですが)
③小児の採血・点滴確保などなど⇒細い血管に細い管を,暴れ叫ぶ相手を抑えつつ入れなくてはならない・・・
ある程度学年が上がって,これらの手技を指導されるより,指導することの方が多くなったのですが(要するに年をとった・・・『オッサン?』)こんなとき最近思い出すのが,高校の古文の時に習った『那須与一(なすのよいち)』の話です.
このブログをご覧になっている皆さんも,『平家物語』高校の古文で読んだのではないでしょうか.那須与一というのは,源平合戦での源氏方の弓の名手です.
『扇の的』という話で,海に船団で散っている平家が船の上に扇を立て,これを射ってみよ,と陸にいる源氏を挑発するシーンがあるんですね.
那須与一は自ら名乗り出て,矢を1本しか持たずに鏑矢を放ち,見事扇を射抜くんです.これで決定的に勝敗の行方が決まるんですね.
ワーッと歓声を上げる陸の源氏、落胆する海の上の平家。目に浮かぶようですよね。
10年以上前に習った高校の古文ですが,『ひいふっとぞ(擬音語)射きったる』という扇が射抜かれるシーンだけは不思議と脳裏に焼き付いています.
やっぱり,那須与一が1本しか矢を持たずに名乗りを上げたことが一番大事なんでしょうか.
ラインを入れる時も,1回で決めないと2回目以後は絶対1回目より不利な条件になるのです.1時間以上もかかって何回も刺して,患者さんも局所麻酔が切れてきて痛がり,処置につく看護師もだんだんうんざりして(このヘタクソとか思ってるかもしれません),自分もイライラ,疲れて泥沼にはまる.次第に血腫と局所麻酔で組織がむくんでワケがわからなくなり,損傷してはいけないモノ(神経とか内臓とか)を刺してしまう.
それでも,1回目で入れられなくても動揺しない人は絶対入れられる(リカバーできる)んですよ.1回目で入らなくて首を傾げたりして動揺する人は,どんどん泥沼にはまってしまう.
那須与一という900年近く前を生きた人から、現代の私たち医療従事者が学ぶことがあるようです。
wiki先生で勉強しましたが、那須与一という人は実在したかしないかわからないそうです。
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