アメーバと島耕作(まえかわ)

wiki先生より,アメーバ
wiki先生より,アメーバ

今日は東北6大学の血管外科の先生を米沢にお招きして,『温泉につかって血管外科を語る会』にみんな行ってしまいました.

私は来週の専門医の試験勉強をしつつ留守番.勉強しても意味ねーよ,と内田先生には言われましたが.

 

 

ちょっと前に,『島耕作シリーズ』で有名な漫画家の弘兼憲史さんの本を読みました(ちなみにハヤシ君は『置賜の島耕作』と呼ばれています).

 

この方が早稲田の学生の時はマルクス主義(共産主義)がはやっていたと.弘兼さんご自身はいわゆるノンポリだったそうですが,このマルクス主義に反対の立場の先輩が弘兼さんにこう言ったそうです.

 

『なあ,人間はアメーバじゃねえんだから,出来るやつも出来ないやつも給料同じでいいわけがないだろ?』

 

これと同じことを,私はコメディカルの方たち(いや,もちろん医者もか)を見ていて思います.

病院ってのは職員の中でも圧倒的に看護師さんがおおいわけですが,彼女たちの仕事に対する姿勢はおおむね3通りに分けられると思うんです.毎日ICUに張り付いてて,看護師さんのベッド配置とか業務分担を見てると,私も医者8年目になるとだんだん俯瞰できるようになる.

 

①決められた仕事すら十分にできない.

②決められた仕事を十分にこなす.

③決められた仕事をこなし,なおかつ新しい仕事したり学習したりする.

 

手術室もそうだし,一般病棟の看護師さんとかもそうですよ.年だけ食って①のタイプになって,自分の『仕事量』が増えることに異常な抵抗を示す人が残念ながら少数いる.

 

『給料もらってんだろ!』といいたくなってしまう.

(このセリフは長野の原田順和先生から学んだのですが,名古屋の上田裕一先生のいうところの『プロフェッショナリズム』の欠如を指摘する極めて重要な言葉だと思う)

 

社会心理学だかなんだかでいうなら,①:②:③の比率ってのは,おそらく2:6:2とかなんでしょうか.

③の向上心がある人たちが勉強しようとするたびに自腹きったり,損したりするような職場ってのは(医局もそうですけど),きっと荒廃するんだろうなあと思う.そういう意味で,看護師さんたちが年功序列だけで給料決まってたら(多くの病院はそうでしょうが),さぞやる気なくすだろうなあと,ICUにいて一生懸命働いている彼女たちを見てて思いました.

 

 

いわゆる『師長さん』クラスでもそう(私たちのメイン病棟の師長さんは熱心で善良な方たちですが)

自分の病棟の仕事をいかに減らすか(厄介そうな患者を減らすか=厄介な患者を連れてくる医者に嫌味を浴びせるか)しか考えない師長がどこの病院にもいる.そうした方が部下の受けがよいんでしょうか.医療ってのは公共財だということの自覚がない.施設とか、地域社会に対する公共心が欠如している.ありがたそうにナースステーションの壁に貼ってある看護理念なんて火にくべればいい(←たまにむきになってマス).

繰り返しますけど、今の私たちのメイン病棟の師長さんはいい方です.