貞弘光章教授より 当教室を御紹介いたします. 


 第二外科は循環器外科,呼吸器外科,小児外科のそれぞれが専門医資格を要する3部門から成る特徴ある外科学教室であり、診療の質を高めながら、各々の3本柱を有機的に結びつけ合い地域の高度医療に貢献するとともに、教育研究の面でも学生からも魅力のある教室です。しかも、第一内科との連携による循環器センターが7階東病棟、呼吸器センターが7階西病棟に設置されており、臓器別診療体制が実質的に稼働しております。臓器別センターという縦糸と第二外科教室という横糸の中で教室員は多忙ながら遣り甲斐のある診療を営んでいます。年頭には第二外科、第一内科、小児科合同年間症例検討会が開催され、手術やカテ治療あるいは内科的加療となった症例の年間統計や新しい治療法や知見が発表され、情報の共有を行いながら新年に向けての抱負を確認しあっています。

 手術件数は貞弘の着任からの7年で著しく増加し、平成22年の手術件数は第二外科全体で612件に及び、全身麻酔件数としても院内第一であり、全国国立大学ナンバー外科教室の中でも上位に位置しています。人工心肺使用を含めた心臓大血管手術だけでも152件を数えました。

● 低侵襲手術の実施;第二外科で扱う外科治療はいずれも生命に関わる領域であり、どうしても或る程度の侵襲を伴いますが、その中で小切開法や内視鏡技術を駆使した低侵襲手術にチャレンジしています。成人心臓血管手術では貞弘の着任以来、冠動脈バイパス術では人工心肺を使用しない心拍動下冠動脈バイパス術(OPCAB)をルーチンとしておりましたが、更に、単純心疾患に対して右側胸部5-7cmの皮膚切開のみによる特殊機器を用いたポートアクセス法、大血管への血管内ステント加療を開始しました(内田心臓血管外科医長)。小児心臓でも胸部正中創の長さを1/2から2/3としています(吉村小児心臓外科医長)。肺切除では大泉呼吸器外科病院教授の三次元画像解析を駆使した完全内視鏡下の肺区域切除法は全国に知られ、その道のパイオニアとなっています。また、小児外科では江村小児外科医長が鼠径ヘルニア手術を5mm径のピンニードルファイバスコープでの腹腔鏡手術とし丹念に症例数を積み上げています。

● 病院再整備による恩恵;上記の新しい手術法の実施と手術件数の増加の過程には今年の2月に完成する病院再整備からの恩恵は多大でした。新手術場でのハイビジョン術野画像、リアルタイム三次元CT画像構築、内視鏡専門室は呼吸器外科や小児外科に、また、心臓手術は2室で並列2件同時に施行できるようになりました。新しいICUやHCU、および新カテ室やIVR室の完成により、それぞれ安全な患者管理やステント加療が可能になりました。更にMEセンター稼働による臨床工学技士の増員とレベルアップは強力なサポーターです。貞弘は、ICU部長とMEセンター長,手術部長も兼任しており、第二外科の再建だけでなく病院の中枢機能の向上に尽力しております。

● 医局行事;第二外科では三大医局行事として、野球試合、医局旅行、忘年会を掲げハイリスク医療に携わる教室員や職員に潤いの時間を設けています。医局旅行は今年で6年連続となり、湯田川、泥湯温泉の秘湯巡りから、この数年は会津、三陸、花巻温泉、日光に行ってきました。毎回バスをチャーターして周囲の名所を巡りますが、すでにバスの中から盛り上がり、楽しい一泊の旅となります。

● 現在、前川助教が長野こども病院での研修から帰局、また、外山前医長がイタリアミラノのAlfieri教授の元に留学中であり弁形成術を学んで帰局予定です。学生教育では昨今、全身疾患を扱う外科内科への希望者が少なく、メイジャー診療科のマイナー化といわれていますが、昨年秋にiPADを6台購入、数々のコンテンツを充実させ、なんとか外科的な切り口から生命に帰する全身疾患を学んで欲しいと工夫を凝らしています。第二外科の扱う疾患体系は幅が広く,対象年齢も新生児から高齢者に至ります。それに引き替え教室員は少ない人数ですが、少数精鋭主義を旗頭として診療、教育そして研究とさらなる飛躍に向けて教室員一同頑張っております。

 (山形大学同窓会誌『蔵王』寄稿文より抜粋)


貞弘光章教授より,当教室員の心得